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[建設業法]

【2025年2月1日施行】最新!特定建設業許可が必要な下請け代金額が引き上げに?まるっと解説

  • 投稿:2025年03月21日
【2025年2月1日施行】最新!特定建設業許可が必要な下請け代金額が引き上げに?まるっと解説

建設業許可を取得するには、経営業務の管理責任者・専任技術者・財産の基礎といった厳しい要件をクリアする必要があります。本記事では、特定建設業許可の基本的な概要、取得要件、2025年の最新改正内容、申請手続きの流れ、特定の注意点をわかりやすく解説します。

特に2025年2月1日には、特定建設業許可が必要になる下請契約金額の基準の法改正がされており、今後の対応に備えるためにも最新の情報の把握が重要です。 許可取得を検討している方はぜひ参考にしてください。

特定建設業許可とは?

一般建設業との違いと目的

特定建設建設業許可とは、業者が元請として大規模な工事を下請に発注する際に必要となる許可です。 具体的には、1件の工事で下請けに出す金額が建築一式工事で8,000万円以上、それ以外の工事で5,000万円以上(令和7年2月1日施行。後に解説)となる場合に、この特定建設業許可が求められます。

一方、一般建設業許可は、これより小規模な工事に対応するもので、下請への発注額が上記の金額未満であれば一般許可でも対応可能です。

特定建設業許可が必要な場合

建設会社が元請として大型の公共施設やマンションの建設を負い、その一部を下請業者に発注する場合、下請金額が上記一定以上となることがほとんどのため、特定建設業許可がなければ契約自体ができません。
なお、下請代金の見積りについては、元請から無償で提供される材料費は含まれませんが、消費税相当額は含まれます。この点も許可の対象かどうか判断することが重要なポイントです。

つまりこの特定建設業許可は、「大きな仕事を元請として遂行する能力がある」と行政に認められた証です。そのため、一定以上の基盤や技術力、管理体制が求められます。

特定建設業許可を持つことで、より大規模な公共工事や民間工事を元請けとして受注できるようになり、事業拡大や信頼性の向上にもつながります

特定建設業許可の取得要件

特定建設業許可を取得するには、経営体制・技術力・財務の3つの柱について、国が定めた基準をクリアする必要があります。ここでは、それぞれの取得要件について詳しく解説します。

経営業務の管理責任者に関する要件

まず必要となるのが、建設業の経営業務に関する十分な経験を有する「経営業務の管理責任者」が会社に在籍していることです。

この人物は、原則として法人の場合は役員(取締役など)でなければならず、会社の経営に実質的な責任を持つ立場にある必要があります。

具体的には、以下のいずれかに該当する必要があります。

  • 建設業に関して 5年以上、経営業務を統括する立場で従事した経験
  • 建設業に関して 6年以上、支店長や営業所長等の準ずる立場で従事した経験

経営業務の管理責任者がいなければ、許可申請そのものが認められません。経営経験は証明書類による裏付けが求められるため、事前の準備も重要です。

営業所技術者の要件

営業所には、工事の内容に応じた資格や経験を持つ「営業所技術者(旧専任技術者)」を常勤で配置することが求められます。特定建設業許可では、次のような高い専門性が要求されます。

  • 1級施工管理技士
  • 技術士(建設部門など)
  • 該当工種において10年以上の実務経験、かつ2年以上の指導監督的実務経験(元請かつ4,500万円(税込)以上の工事)を持つ者

技術者の配置は、元請としての責任施工を支える基盤であり、審査でも重視される項目です。

財産的基礎の要件

大規模な下請契約を行うことを前提とするため、企業としての財務的な健全性も求められます。具体的には、次の要件を満たしている必要があります。

  • 資本金が2,000万円以上
  • 自己資本額(純資産)が4,000万円以上
  • 欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと
  • 流動比率が75%以上(流動資産÷流動負債)

いずれかが不足している場合は、増資や財務内容の見直しが必要です。

最新の改正点(2025年2月1日施行)

下請契約金額の基準が引き上げに

2025年2月1日から、特定建設業許可が必要となる基準が変更されます。これまで、下請契約の金額が一定額を超える場合に特定建設業許可が必要とされていましたが、その下請契約金額の基準が引き上げられることとなりました。

具体的には、以下のように改正されます。

工事の種類旧基準改正後の基準(2025年2月〜)
建築一式工事7,000万円以上8,000万円以上
その他の工事4,500万円以上5,000万円以上

これは、建設資材や人件費の高騰、工事規模の変化に対応するため、実態に即した見直しが行われたものです。

改正の背景と影響

今回の改正は、発注者と受注者の双方が適正な契約を行い、建設業全体の透明性と健全性を保つことを目的としています。

この基準変更により、一部の企業では特定建設業許可が不要となるケースが増える一方で、大規模案件を継続的に請け負う企業は、引き続き取得が必要 となります。

なお、契約金額の判定においては、元請から無償で支給された材料費は含まれず、消費税は含まれる点 にも注意が必要です。

申請手続きの流れ

特定建設業許可を取得するためには、定められた書類を整え、都道府県知事許可は各都道府県庁等、または国土交通大臣許可は地方整備局に申請を行う必要があります。以下に、申請の一般的な流れを解説します。

1. 事前準備(要件の確認)

まずは、自社が特定建設業許可の取得要件を満たしているかを確認します。具体的には、以下の3点です。

  • 経営業務の管理責任者の要件
  • 専任技術者の要件
  • 財産的基礎の要件(資本金・自己資本・流動比率・欠損額)

不安がある場合は、事前に専門家へ相談し、準備を進めておくとスムーズです。

2. 必要書類の収集

許可申請には多くの書類が必要になります。主なものは以下のとおりです。

  • 会社登記簿謄本
  • 納税証明書(事業税納税証明書、法人税等)
  • 財務諸表(直近の決算書類)
  • 経営業務の管理責任者の経験証明資料
  • 専任技術者の資格証明書または実務経験証明書
  • 建設業許可申請書一式(様式に従って作成)

自治体によっては追加資料が求められる場合があるため、事前に窓口へ確認しておくと安心です。

3. 申請書の提出と審査

書類が揃ったら、知事許可の場合は都道府県庁、または国土交通大臣許可の場合は地方整備局の担当窓口に申請書を提出します。提出後は内容の確認と審査が行われ、問題がなければ許可が交付されます。

申請から許可取得までの期間は、知事許可でおおよそ30〜45日程度、大臣許可でおおよそ90日程度が一般的です(自治体や審査状況によって前後します)。

4. 許可取得後の手続き

許可を取得した後も、事業年度終了後には「決算変更届」の提出が必要です。また、5年ごとに更新手続きを行わなければ許可が失効しますので、継続的な管理も欠かせません。

許可取得後の管理も重要

特定建設業許可を取得した後も、許可を維持するためには継続的かつ適切な管理が求められます。主な義務は以下のとおりです。

  • 毎年の「決算変更届」の提出
  • 5年ごとの許可更新手続き
  • 建設業法に基づく業務記録の整備・保存
  • 社会保険・雇用保険・労災保険の適正加入状況の確認

許可の更新時に求められる財産的基礎の要件

特定建設業許可を維持するには、5年後の更新時においても「財産的基礎の要件」をすべて満たしている必要があります具体的には以下のすべての条件をクリアしなければなりません。

  • 流動比率が75%以上
  • 資本金に対する欠損額が20%以下であること
  • 資本金が2,000万円以上かつ自己資本額が4,000万円以上

これらの基準を一つでも満たさない場合、許可の更新が認められず、特定建設業許可が失効するリスクがあります。

なお、これらの基準は「過去5年間ずっと満たしている必要はなく」、更新申請時点で要件を満たしていれば問題ありません。とはいえ、財務状態が年々悪化していると、いずれ要件を満たせなくなるおそれもあるため、継続的な財務管理が重要です。

営業所技術者・経管の常時在籍も必要

さらに、許可取得後は「経営業務の管理責任者」や「営業所技術者(旧専任技術者)」が常に在籍している必要がありますこれらの要件を欠く状態が生じそうになった場合、切れ目なく補充できなければ、許可の維持が困難になる可能性があります。

特に注意したいのは、特定建設業許可では1級施工管理技士などの資格が求められるため、営業所技術者が退職してしまうと代替人材の確保が非常に難しいという点です。技術者の確保や育成も、許可の維持に直結する重要な経営課題といえるでしょう。

特定建設業許可は建設業専門のあやなみ行政書士事務所にご相談ください

特定建設業許可は、元請として大規模な工事を受注・発注するために不可欠な許可であり、企業の信用や事業拡大にも大きく関わる重要なステータスです。

取得するためには、経営業務の管理責任者・営業所技術者・財産的基礎という3つの厳しい要件をすべて満たす必要があります。さらに、2025年2月1日からは、特定建設業許可が必要となる下請金額の基準が引き上げられるため、該当する工事を扱う事業者にとっては、制度への理解が求められます。

また、特定建設業許可を取得した後も安心はできません。更新時には財務基準をすべてクリアしている必要があり、経営状況や人材体制の変化によっては、許可が維持できなくなる可能性もあります。 特に、1級施工管理技士などの営業所技術者が退職した場合の影響は大きいため、日頃から人材の確保・育成、財務管理を意識することが大切です。

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特定建設業許可の取得は、企業のステップアップの大きなチャンスです。

そんな方は、まずは専門家に相談するのがおすすめです!
サポートを受けることで、スムーズな申請・時間をロスすることなく許可を取得することができます。

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よくある質問

特定建設業許可を検討する際によくいただく質問と、その回答をまとめました。申請前の不安や疑問の解消にお役立てください。


特定建設業許可の要件にはどんなものがありますか?
特定建設業許可の取得には、「経営業務の管理責任者の経験」「営業所技術者(1級施工管理技士など)の配置」「財産的基礎(資本金2,000万円以上・自己資本4,000万円以上)」という3つの要件をすべて満たす必要があります。いずれかが不足していると申請できません。


特定建設業許可の更新では何を確認されますか?
更新時には、「引き続き要件を満たしているか」が審査されます。特に財務状況(流動比率・欠損割合・資本金など)や、営業所技術者・経営責任者の在籍状況がポイントです。要件を満たしていない場合、許可の更新ができず、失効する可能性があります。


財務要件にはどんな注意点がありますか?
財務要件は非常に重要で、以下のすべてを満たす必要があります。
・流動比率75%以上
・欠損額が資本金の20%を超えないこと
・資本金2,000万円以上、自己資本額4,000万円以上
更新時点でこれらの基準をクリアできていないと、許可が失効するリスクがあります。


特定建設業許可で求められる技術者とは?
特定建設業許可を申請するには、営業所ごとに「1級施工管理技士」などの国家資格者や、一定の実務経験を有する者を常勤で配置する必要があります。この営業所技術者が退職すると代替人材の確保が困難になることも多いため、人材確保・育成が重要です。


資本金が2,000万円未満でも許可は取れますか?
いいえ、特定建設業許可を取得するためには、資本金が2,000万円以上であることが必須条件です。資本金が不足している場合は、増資などの対応が必要です。また、自己資本(純資産)が4,000万円以上あることも求められます。

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